100年の歴史を誇る競技場

金沢市営陸上競技場 開場100周年

金沢市営陸上競技場は、大正14年(1925年)に金沢市初の市営スポーツ施設として誕生し、令和7年(2025年)に開場100周年を迎えます。

この競技場は、100年という長きにわたり金沢市のスポーツ発展に寄与してきました。

私たちは、この100年という偉大な歴史に敬意を表し、これから先も金沢市のスポーツ発展を願い、この競技場を大切に守り続けていきます。

100周年記念イベントロゴマーク

金澤市運動場の誕生

【名 称】
 皇太子殿下御成婚記念 金澤市運動場

【住 所】
 石川郡富樫村字地黄煎町地内

【開 場】
 大正14年10月31日(大正天皇 天長節)

金澤市運動場(現 金沢市営陸上競技場)は、皇太子殿下(後の昭和天皇)御成婚記念 金澤市運動場として大正14年10月31日に開場した歴史ある競技場です。

この競技場は、金沢市出身で大阪市在住の実業家 武田千代三郎氏によって構造調査と建設案が示され、金沢市役所第二課(土木担当)の藤沢勇太郎技師が設計しました。(当時の設計図面掲載)

当時は、陸上競技のほか野球、テニス、バスケットボールもできる多目的グラウンドとして建設されました。

<金澤市運動場、金沢市運動場、金沢市営陸上競技場>

金澤市運動場図面(大正14年) 金沢市スポーツ事業団所蔵
北國新聞(大正14年11月1日) 玉川図書館所蔵
北陸毎日新聞(大正14年11月1日) 玉川図書館所蔵
上)北陸毎日新聞(大正14年10月25日) 下)北陸毎日新聞(大正14年10月31日) 玉川図書館所蔵

第二回 国民体育大会(石川国体)開催

終戦直後の1946年(昭和21年)、京都を中心とする近畿地方で第一回国民体育大会が小規模ながらも開催されました。

石川県及び金沢市の積極的な誘致活動により、第二回大会は石川県で行われることが決まり、当時の46都道府県(沖縄は除く)から約1万3千人の選手が参加しました。

開会式は、金澤市運動場(金沢市営陸上競技場)で行われ、北陸地方を巡幸中だった昭和天皇のご臨席を仰ぎ、金沢市立小学校6年生男女4千人が若い力の演技を初めて披露しました。

この競技場では、開会式のほか陸上競技、ラグビー、自転車、乗馬、マラソン(発着点)の競技が実施されました。


第二回国民体育大会秋季大会を全国中継

NHK金沢放送局は東京、名古屋からの応援を受けて、第二回石川国体秋季大会の実況放送を全国中継しました。

当時のニュース映像は、NHKアーカイブス ホームページよりご覧いただけます。

⇒第二回国民体育大会(夏季大会)映像

⇒第二回国民体育大会(秋季大会)映像

【新聞記事(玉川図書館所蔵)】
北國毎日新聞 昭和22年9月11日「秋季国体のポスターきまる」
北國毎日新聞 昭和22年9月22日「大會まつばかり」
北國毎日新聞 昭和22年10月25日「あと五日 体育祭典」
北國毎日新聞 昭和22年10月30日「きょう国体大会開会」

記念スタンプ付き記念切手(金沢市スポーツ事業団所蔵)
新聞記事(玉川図書館所蔵)
石川新聞(昭和22年10月31日)玉川図書館所蔵
北國毎日新聞(昭和22年11月4日)玉川図書館所蔵

「若い力」の誕生

昭和22年に金沢市運動場で開催された第二回国民体育大会(石川国体)に際して、「若い力」の歌と演技が創られました。

スポーツの力で戦後日本の復興と再建を目指し、第一回国民体育大会が京都を中心とする近畿地区で開かれた後、「国民に元気の出る歌を」ということで、第二回の石川国体に際して作られたのが若い力です。

そして、昭和22年10月31日に行われた国体開会式後に、昭和天皇御臨席の前で全小学校6年生男女4,000人が初めて若い力の演技を披露しました。

それから70年以上にわたり、この演技は金沢市立小学校連合体育大会や地域の運動会などで金沢市民に受け継がれており、令和4年には金沢市スポーツ遺産に認定されました。

【新聞記事(玉川図書館所蔵)】
石川新聞 昭和22年10月31日「秋晴れに若人躍る」
北國毎日新聞 昭和22年10月16日「学童四千の躍動」

初めて披露した「若い力」
新聞記事(玉川図書館所蔵)

北陸初のプロ野球開催

職業野球團 北陸シリーズ  

第2回石川国体開催の前年である1946年(昭和21年)に、この競技場でプロ野球が行われたのをご存じでしょうか?

「職業野球團 北陸シリーズ」と題して、昭和21年7月13日(土)、14日(日)の2日間、金澤市運動場で当時のプロ野球チーム「セネタース(現:北海道日本ハムファイターズ)」「ゴールド・スター(現:千葉ロッテマリーンズ)」「大阪タイガース(現:阪神タイガース)」「近畿グレートリング(現:福岡ソフトバンクホークス)」の4チームが4試合行っています。
※石川新聞社主催

【新聞記事(玉川図書館所蔵)】
石川新聞 昭和21年7月12日「北陸初の日本野球公式リーグ戦」
石川新聞 昭和21年7月14日「強豪華麗の球戦譜」

新聞記事(玉川図書館所蔵)

99周年イベントを開催

令和7年の100周年を前に、令和6年10月14日(スポーツの日)に金沢市営陸上競技場で99周年イベントを開催しました。

爽やかな秋晴れの中、100年へバトンを繋ぐ99周リレーや若い力の演技体験会、陸上競技体験などを行いました。

99周リレーでは、100年へ繋ぐ一本のバトンを6歳~71歳の約130人が400mトラックを1周ずつ走り、繋いでいきました。

また、100周年記念イベントロゴマークの発表や競技場の歴史を紹介する歴史展示コーナー、全国統一かけっこチャレンジの併催などで開場100周年への機運を高めました。

>>歴史展示コーナー展示品リスト


99周リレーで使用したバトンは金沢市総合体育館に展示しています。

来年の100周年記念イベントでは、このバトンで100周目を走り100年への未来へ繋げます。