職業野球團 北陸シリーズ
第2回石川国体開催の前年である1946年(昭和21年)に、この競技場でプロ野球が行われたのをご存じでしょうか?
「職業野球團 北陸シリーズ」と題して、昭和21年7月13日(土)、14日(日)の2日間、金澤市運動場で当時のプロ野球チーム「セネタース(現:北海道日本ハムファイターズ)」「ゴールド・スター(現:千葉ロッテマリーンズ)」「大阪タイガース(現:阪神タイガース)」「近畿グレートリング(現:福岡ソフトバンクホークス)」の4チームが4試合行っています。
※石川新聞社主催
この競技場で行われた試合が、北陸地方で開催された初のプロ野球の試合です。
北陸シリーズでは、金沢での開催後の7月15日(月)に高岡工専グラウンド(富山県高岡市)で2試合開催しています。
【試合結果】
7月13日(土) 金澤市運動場
タイガース 9-4 ゴールドスター
近畿 4-2 セネタース
7月14日(日) 金澤市運動場
セネタース 9-4 ゴールドスター
タイガース 17-11 近畿
7月15日(月) 高岡工専グラウンド
近畿 26-0 ゴールドスター
タイガース 14-10 セネタース
太平洋戦争の戦況悪化のため、1945年(昭和20年)の公式戦は中止となりましたが、終戦後すぐ公式戦が再開されました。この年は、近畿グレートリングが優勝しています。
野球列車も運轉(うんてん)
各地のファン殺到による列車の混雑を避けるため、名鐡金澤管理部は両日とも列車を増便して対応しました。
野球籤(くじ)を販売
1946年6月29日に初めて発売された「野球籤(くじ)(日本勧業銀行発行 ※現みずほ銀行)」が、北陸シリーズでも販売されました。
ただ、この北陸シリーズでは先の野球籤とは異なり、当選番号を抽選で選び一等から四等までの当選者を決定していました。
一枚のくじは甲券、乙券からなっており、二通りの抽選を楽しめるようになっていました。
甲券は両日の第1試合と第2試合の間に抽選が行われ、一等から四等までの決められた当選金が当たりました。
乙券は、最終日の第1試合終了後に甲券とともに抽選が行われました。一等から三等までの当選金額は2日間で販売されたくじの枚数によって決められるようになっていたようです。
甲券、乙券の両方に当選することも可能だったようで、かなりの枚数が売れ、抽選は大いに盛り上がったようです。
<野球籤販売金額>
一枚 五円
<当選金額(甲券)>
・一等 千円
・二等 百円
・三等 十円
・四等 五円